科学研究費補助金 新学術領域研究「新海洋像:その機能と持続的利用」

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海のサイエンスカフェ話題提供報告(海洋研究開発機構 安中さやか)

科研費・新学術領域「新海洋像」のアウトリーチ活動のひとつとして、2017年3月20日、海のサイエンスカフェにおいて、「海の恵み :栄養塩 -地道なデータの蓄積が明らかにする新しい海洋像-」との題名で、話題提供をさせていただきました。事前予想を上回る総勢19名の参加があり、和やかな楽しい1時間半でした。話題提供では、栄養塩は海の状態を表す変数の一つであり、海中の食物連鎖を支える重要な要素であることを認識してもらった上で、栄養塩のデータがどのように蓄積されてきて、今、どのくらいの数、どのような海域に存在するのかを示しました。そして、北太平洋を9つに分けた各海区における栄養塩の季節変化や、地球温暖化に伴う栄養塩濃度の長期変化など、自分の研究の一端を紹介しました。

自分の研究を専門外の方に伝える経験は、研究所や大学の一般公開などでの1対1に近い形の経験しかなく、題名と3行の要旨を考えるだけで丸1日も費やしてしまいました。一方、私の研究は、綺麗な写真やその場で見せる実験や模型が用意できるものではなかったため、その分、ポンチ絵や作図で視覚に訴えるような配布資料の作成を心掛けました。また、参加者が、ただ、聞くだけにならないよう、随所に空欄や設問を設けた資料にしてみました。準備に関しては、web上で公開されている過去のサイエンスカフェの開催報告や、担当の上野さんから頂戴した多数の丁寧かつ的確なコメントが大変参考になりました。

当日は、地球科学に興味がある方が多かったものの、文系ですとおっしゃる方もいらっしゃり、年齢層も広く、様々な参加者と触れ合うことができました。随所に入れた問題の投げ掛けにも良く反応してくださり、逆に、質問もしてくださいました。また、こちらを見て話を聞いてくださる場面が多かったり、たくさんのメモ書きが垣間見えたりと、手応えが感じられ、とても嬉しかったです。ただ、途中、私が設定時間を勘違いしたことから、最終的に15分も時間超過をしてしまい、総合討論やまとめのできないままの終了となってしまいました(最初に親近感を持ってもらうためにと思った自己紹介を含む雑談で、しゃべり過ぎました…)。

かっこいい表紙絵をGoogle Earthで作ってくださった纐纈さん、事前準備や当日の雰囲気作りを助けてくださった上野さんはじめ海洋学会教育問題研究会の皆様に、この場を借りて御礼申し上げます。

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