イベント
シンポジウム「持続的な海洋利用のための海洋区系」
2014年9月13日(土)9時30分より
長崎大学水産学部1階 第2講義室
9:30–9:40 | 持続的な海洋利用のための海洋区系 | 古谷研(東大院農学生命)・齊藤宏明(東大大海研) |
9:40–10:05 | 太平洋の中規模渦分布と低次生産 | 伊藤幸彦(東大大海研)・金子仁(東大大海研)・纐纈真也(JAMSTEC-RIGC)・奥西武(水研セ東北水研) |
10:05–10:30 | 栄養塩・全炭酸の北太平洋表層マッピング結果を用いた海洋区系 | 安中さやか(JAMSTEC)・野尻幸宏(環境研)・中岡慎一郎(環境研)・小埜恒夫(水研セ中央水研)・Frank A. Whitney(カナダIOS) |
10:30–10:55 | 太平洋亜熱帯域における各種リンプールの水平分布 | 橋濱史典(海洋大院)・齊藤宏明(東大大海研)・江濵誠(海洋大院)・諏訪修平(海洋大院)・櫻庭涼輔(海洋大科)・神田穣太(海洋大院)・佐藤光秀(東大院農学生命) |
休憩 | ||
11:10–11:35 | 鉄とリンからみた海洋区系 | 佐藤光秀(東大院農学生命)・武田重信(長崎大院水産環境) |
11:35–12:00 | 窒素固定による島効果と海盆スケールの物質循環への影響 | 塩崎拓平(東大大海研)・古谷研(東大院農学生命) |
昼食 | ||
13:00–13:25 | 海洋におけるコロイド態シリカの存在とその意義 | 木山孔司(東大大海研)・小川浩史(東大大海研) |
13:25–13:50 | 植物プランクトンの感じる海洋区 | 橋岡豪人(JAMSTEC) |
13:50–14:15 | 分子生物地理からの海洋区系 | 津田敦(東大大海研)・鈴木光次(北大院地球環境)・浜崎恒二(東大大海研) |
14:15–14:40 | エコシステムマネジメントの公海域への適用に向けた海洋区系の理解 | 清田雅史(水研セ国際水研) |
休憩 | ||
15:00–15:25 | 海の価値の認識と海洋環境保全に対する貢献意欲:日本での調査結果から | 脇田和美(東海大海洋)申中華(東大院農学生命)・大石太郎(福岡工大社会環境)・八木信行(東大院農学生命)・黒倉壽(東大院農学生命)・古谷研(東大院農学生命) |
15:25–15:50 | 大陸棚限界委員会の機能:法的枠組みにおける科学的基準の導入事例として | 西本健太郎(東北大法) |
15:50–16:15 | 沿岸と沖合あるいは浅海と深海-3次元的な海洋像の模索 | 和田時夫(水研セ本部) |
16:15–17:00 | 総合討論 |
趣旨説明
顕在化しつつある地球規模での海洋環境の変化に対して、海洋生態系やその物質循環がどのように応答するのか、人類が海洋から受けてきた恵みがどのように変化するのか、さらに、持続的発展が可能な海洋利用をどのように図っていくかは、現在の科学における最も重要な課題である。これらの課題に取り組むには、まず、海洋をその生態系と物質循環のまとまりから整合性のあるサブシステムに分けることが必要である。従来の生物地理学では、極域、亜寒帯、亜熱帯、熱帯、沿岸域など大まかにしか区分していないため、解析の対象とする各海域が広すぎて、結果的に海域ごとの違いを丁寧に見ることができなかった。しかしながら、Longhurstによる生態系地理区分の提案などに見られるように、過去20年間の海洋研究から、従来知られていなかった区系の存在が次々と明らかになってきた。本シンポジウムでは、持続的な海洋利用の視座から、太平洋について近年の海洋学的知見を整理して海洋区系の確立に向けた現状を概観し、海の恵みの利用に関する道筋への端緒とする。