科学研究費補助金 新学術領域研究「新海洋像:その機能と持続的利用」

トピック

若手研究者海外派遣報告(東京大学大気海洋研究所 平池友梨)


写真:ユトレヒト大学構内。特徴的な建物が多い

2013年3月中旬からおよそ一ヶ月間、科学研究費補助金新学術領域研究「新海洋像:その機能と持続的利用」(NEOPS)若手研究者海外派遣プログラムの補助をいただきオランダのユトレヒト大学のIMAU(Institute for Marine and Atmospheric research Utrecht)に滞在した。IMAUは数値モデルを用いた大気、海洋や雪氷などの多岐にわたる研究者が所属しており、オランダ国内からだけではなく、周辺の国から多くの研究者や学生が在籍していた。本滞在では、北太平洋亜熱帯域の栄養塩供給と循環を現実的な物理プロセスから明らかにする事を目的に南大洋やインド洋の海洋物理場の研究を行っているWill de Ruijter教授の研究室に参加させていただいた。滞在中は、週に一度行われている研究室のミーティングに参加し研究員たちとの交流を深めたほか、海洋生態系の研究をしている学生数名とも情報交換をした。残念ながら生態系プロセス自体の研究者は少なかったが、異なる生態系モデルの相互比較を通した有意義な議論ができた。滞在の大きな成果として、Ruijter教授との議論により、亜表層とその下層との海水交換やフロントでの物理現象に対する理解を深める事ができた。滞在の最後に、ウィーンで行われたEGU(European Geoscience Union)に参加し発表し、様々な国の研究者と有意義な議論、情報交換ができた。今回、このような貴重な経験をさせていただいて、自分の研究環境、所属研究所やプロジェクト等は、物理、生物や化学の専門家と共に研究できる、非常に恵まれた環境である事が再確認できた。渡航の補助をいただいたNEOPSおよび関係者の皆様に感謝申し上げる。

ページトップへ