A03 海洋生態系の機能評価
広域回遊性魚類の資源変動メカニズムと海洋区系
研究者数: 8名
研究代表者 | 清田 雅史 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構国際水産資源研究所・ グループ長 | |
研究分担者 | 米崎 史郎 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構国際水産資源研究所・ 研究員 | |
連携研究者 | 奥田 武弘 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構国際水産資源研究所・ 研究員 | |
連携研究者 | 吉澤 知里 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構国際水産資源研究所・ 研究等支援職員 | |
研究分担者 | 酒井 光夫 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構東北区水産研究所・ グループ長 | |
連携研究者 | 加藤 慶樹 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構東北区水産研究所・ 研究員 | |
研究分担者 | 上野 洋路 | 北海道大学大学院水産科学研究院・ 助教 | |
研究分担者 | 帰山 雅秀 | 北海道大学国際本部・ 特任教授 |
本研究は、異なる海洋区系間を移動する海洋生物資源、すなわち広域回遊性魚類が、各区系の生産力をどのように、どの程度利用し、また、各区系の物質循環系の変動や低次生物生産群集の変動にどのような影響を受けるのかを明らかにすることを目的とする。このため、これまで蓄積されてきた広範囲・長期間に及ぶ調査データを活用すると同時に、新たな海洋調査において回遊性魚類の胃内容物や同位体比の分析を行い、各種魚類の個体数、バイオマスの時空間的変動および餌生物種や食地位を各魚種について明らかにする。その際、低次生産者から高次生産者までの試料をセットで採取し、他班との協力のもと、水産学的、生態学的、生物地球科学的解析を行う。さらに、本領域のもとで実施される他の課題研究の成果を合わせ、総合的な解析から、各区系の生産力と広域を回遊する海洋生物資源の交互作用を解明し、資源変動メカニズムを解明する。これら成果は、生物多様性条約等で求められる生態系アプローチに基づく持続的な漁業管理の実施にも大きな影響を与えることが期待される。
海洋の市場性・非市場性価値の評価
研究者数: 4名
研究代表者 | 黒倉 寿 | 東京大学大学院農学生命科学研究科・ 教授 | |
研究分担者 | 有路 昌彦 | 近畿大学農学部・ 准教授 | |
連携研究者 | 津旨 大輔 | 電力中央研究所環境科学研究所・ 上席研究員 | |
連携研究者 | 杉山 昌広 | 東京大学政策ビジョン研究センター・ 講師 |
本課題は、新たに提案された区系の自然科学的な理解に基づき、海の恵みの持続的利用を巡る制度や秩序を再構築するために必要な、海洋の経済的価値を評価する。そのために項目A01〜A03で明らかにされた区系ごとの物質循環と生態系の特性から、各区系における海の利用様態を、水産物などの市場性価値と気候調節などの非市場性価値の2方向から評価し、国内外の利害関係者を割り出し、海区の利用による経済的効果を算出する。その利用に係わるリスクも評価し、海洋問題で議論が錯綜しがちなジオエンジニアリング等を具体的な検討課題に含める。さらに、これらの経済的価値やリスクを社会に伝達するための科学コミュニケーションのあり方を確立させる。これらの成果は、項目A04による新たな社会的枠組みの構築の基盤的知見となるとともに、海洋の機能評価について項目A04とフィードバックを繰り返し、領域全体の自然科学系と社会科学系のハブ的機能を果たす。